がんばる女子大学生のブログ

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摂食障害体験記 7 〜入院時に辛かったこと(食事編)〜

こんにちは、るん(仮)です。
今回は、摂食障害で精神科に入院中(前半)の、食事についてお話します。
おそらく、摂食障害の方は、この食事について最も関心があるのではないかと思います。

私が摂食障害になり、入院することになった経緯は、「摂食障害体験記 1〜6」を(できる限り順番に)お読みください。

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管理栄養士と担当医(精神科医

私は、大学付属病院に入院しました。その病院は大きく、内科・外科・婦人科・小児科といった多くの診療科、専門外来があります。
私は精神科に入院し、担当医は30代の男性精神科医でした。私を摂食障害と診断したのは精神科医ですが、精神科医精神科医ですので、食べ物、即ち栄養面においては、管理栄養士のサポートが必要です。そのため、大学附属病院に勤めている管理栄養士が私の入院中の食事を考えてくださいました。

月に一度、担当の管理栄養士が病室を訪ねて来てくださり、短時間ですがお話をしました。話の内容は、主に食に関することで、好きな食べ物は何か、抵抗なく食べられているか、退院したら何が食べたいか、などといったものでした。
おそらく、こういった方法で信頼関係を構築していこうということだったのでしょう。
その担当の管理栄養士は、優しい女性の方で、私は特に怖気づいたり警戒したりすることなくコミュニケーションを取ることができました。

ただ、入院してから退院するまで、そして退院後の通院期間でも、正直に話せなかったことはあります。担当医、担当看護師、管理栄養士、家族、全員に対してです。
それは、なぜ痩せたか、なぜ食べなくなったか、についての本当の理由です。

中学3年生で運動部を引退し、太る友人を見て、そうはなりたくないと思い、食事量を減らしたことが全ての始まりであることは隠さず話しました。

しかし、時が経つにつれて、痩せていく自分を見て、嬉しく思っていたことは言えませんでした。別に痩せたいとは思っていなかった、と私は最初から最後まで一貫して言い続けました。
私が摂食障害に陥る経緯は、「摂食障害体験記 1」にも書いてあります。

入院中の食事計画

摂食障害体験記 5」にも少し書いてありますが、入院後すぐに、体重を増やすためにたくさん食べることを強要されることはありません。
摂食障害(拒食症)となり入院する人は、それまであまり多く食べていない場合が多いです。急に多く食べると、胃の機能が追いつかないといった障害が起きてしまうからです。また、食べることを拒否する患者もいるためです。

少しずつ少しずつ食事量を増やしていくという治療法が行われます。

食事についてより具体的に

入院当初は、私が入院する前に食べていた食事量よりも少ない量でした。私はお腹が空き、少ないと訴えましたが、治療計画に沿って食事が出されており、変更することは不可能でした。前にも書きましたが、その頃は、入院しなければ良かったと本当に思いました。自分でもう少し多く食べられる、こんな量では一向に体重を増やして退院することはできない、と思いました。

しかし、徐々に食事量は増えていきます。どのくらい増やすかは、管理栄養士と相談して決めます。もちろん担当医の承認も必要です。


一ヶ月も経たないうちに、普通の人と同じ量の食事になりました。内容としては、ご飯またはパン、メインのおかず一品、付け合せ二品程度、時々フルーツ、といった感じだったと記憶しています。白米の量は、一食150グラムほどでした。食パンだと1枚です。

二ヶ月も経たないうちに、白米が一食300グラムになりました。食パンだと2枚です。おかずの量は通常の量と変わりません。主食で摂取カロリーを増やすことが重要だと言われました。白米300グラムを、時間内(30分)に食べることは、なかなか大変でした。顎が疲れてくるのです。その頃にはもう、食事に抵抗はなくなり、時間内に食べ終えることだけを考えて黙々とひたすら食べるようになっていました。完食すると、お腹がパンパンで動けないくらいです。食後30分安静は入院中ずっと続けられましたが、30分以上私はゆっくりしていました。

これは、摂食障害の方で非常に個人差が出ると思います。私は元々、絶対太りたくない、食べたくない、と強く思っていたりはしなかったため、このように食べられました。担当医や管理栄養士によると、頑なに食べたがらない患者もいるそうです。私が黙々と頑張って完食する努力を褒めてくださいました。

白米の量は、300グラムが最大でした(記憶が正しければ、です)。
しかし、私は、早く体重を退院目標の数値にしたかったため、もう少し摂取カロリーを増やしたいと管理栄養士に相談しました。ですが、これ以上多くのものを食べることはキツイとも言いました。
すると、ドリンクやゼリーなどの栄養剤を追加することになりました。具体的には、明治のメイバランスなどです。毎食ではなく、1日1つ程度、食事と同時に時間内に食べます。美味しいとは言えませんでしたが、早く退院するためでした。

この頃、成人男性の一日の摂取カロリーの2倍弱を私は摂取していました。
そのことを知らされたときは衝撃を受けましたが、極力カロリーなどは考えないようにしていました。

食事方法

食事はトレーに一人分、名前とカロリーが記載された小さな紙とともに載せられ、病棟に入院患者分が台車で運ばれてきます。「摂食障害体験記 6」の治療計画表をご覧になるとわかりますが、治療初期段階は基本的に安静にしていなければならないため、看護師がトレーを病室まで運んできて、そこで30分タイマーを設定して病室から退出します。私がタイマーを勝手に止めたりしないように、タイマーは2つ同時にセットされます。1つは私のトレーの上、もう1つは看護師が携帯します。タイマーが鳴ると、看護師が病室にやってきて、完食を確かめ、トレーを戻します。この時、食事前と同様の方法で2つのタイマーを食後の安静30分にセットします。それが鳴ると、終了です。

治療計画の段階が進むと、自分でトレーの配下膳が可能になります。この段階では、自分で台車にトレーを取りに行き、その後看護師のもとに行き、タイマーをセットし、病室に戻り食事をします。タイマーが鳴ると、食事済みのトレーを持って看護師のもとに行き、完食を見せてから台車に戻し、再び同様にタイマーをセットし、病室に戻って安静状態に入ります。

朝食は8:00、昼食は12:00、夕食は18:00に病棟内に台車で運ばれてきます。運ばれると、放送がかかり入院患者に知らされます。

毎日毎日、30分食事、30分安静を1日3回です。
もちろん、精神科に入院している他の患者は、このような時間制限などはありません。私が、摂食障害という名のもとで入院し、治療を受けていたためです。

メニュー、味などについて

病院食は、一般的には薄味であまり美味しくないというイメージが持たれているのではないかと思います。私は、もともとそこまで舌が肥えていたわけではない、美味しさにこだわりを持っていたわけではないため、不味いなどとは感じませんでした。

メニューとしては、主食では白米、食パン、ロールパン、カレーライス、チャーハン、ラーメンなどでした。メインのおかずは、魚の煮付けや肉の唐揚げ、青椒肉絲などがありました。他には、味噌汁や酢の物やコールスローサラダ、オレンジやヨーグルト、などです。
数週間に1回、選択式メニューがありました。洋食(パンなど)か和食(白米など)、魚か肉か、といった感じです。事前に選んで記入をするのです。
行事の日は、行事にちなんだものが出ることもありました。私はクリスマスや年越しを病院で迎えたのですが、クリスマスは、握りこぶしの半分サイズの小さなケーキ、お正月には雑煮が出ました。

入院中に食べたこれら病院食は、退院前の数回分の写真がスマホに残っています。
担当医が、私が退院した後、入院時にどのようなものをどれくらい食べていたか、思い出せるように、写真を撮るように、と言ったためです。

 

今回は、入院時の食事についてディープな部分までお話しました。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
やはり、思い出すとあまりいい気持ちはしません。そのため、嫌なことを忘れようとする脳の働きによってか、曖昧な部分もありました。
詳しく知りたかった人には、少し申し訳なく感じます。
しかし、思い出せる限りのことは書きました。
今回書いたことが、摂食障害で苦しむ方にシェアされ、少しでも治療への前向きな進歩へ繋がることを願っています。

私の「摂食障害体験記」は、まだまだ続きます。
それでは、今回はここで失礼します。